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障害者雇用促進法について [障害者雇用]

障害者雇用促進法では、障害者の職業安定を図ることを目的に事業主に「雇用義務制度」「差別禁止と合理的配慮の提供義務」「障害者職業生活相談員の選任」「障害者雇用に関する届出」の4つの措置を課しています。また、障害者本人に対しても「職業リハビリテーションの実施」の措置を課しています。

その「雇用義務制度」の中で、企業は、常用労働者のうち「障害者」をどのくらいの割合で雇う必要があるかを定めた障害者(法定)雇用率を満たす必要があります。

この基準となる法定雇用率は、現在「2.2%」のため46人以上雇用している会社は障害者を1人以上雇用する必要があります。また、2021年4月までには法定雇用率は「2.3%」に引上げられる予定ですので、44人以上雇用している会社は障害者を1人以上雇用する必要があるようになります。

もし、法定雇用率を達成していないとその会社に障害者雇用納付金制度に基づいて「規定割合と比べて不足している雇用障害者数1人につき毎月5万円」を国に納付する必要があります。ただし、現在は常用労働者が101人以上の会社が対象となっています。

また、2020年4月1日に施行された法改正では、民間企業に対して「事業主に対する給付制度」「優良事業主としての認定制度の創設」という2つの措置が盛り込まれました。以下に簡単に解説します。

➀「事業主に対する給付制度」
これまでの障害者雇用促進法では、週所定労働時間20時間未満の雇用障害者は、雇用率制度の対象とはならず、会社は障害者雇用調整金などの支援が受けられませんでしたが、一定の条件を満たすことにより週10~20時間未満の障害者を雇用する会社に対して、特例給付金が支給されるようになりました。支給額は、調整金・報奨金(障害者を雇用した場合に受けられるもの)の単価の4分の1程度で、常用労働者101人以上の会社で1人7000円、常用労働者100人以下の会社で1人5000円となります。

②「優良事業主としての認定制度の創設」
評価項目ごとに加点方式で採点し、一定以上の得点を獲得する等一定の条件を満たすと優良事業主に認定されます。
認定されると自社の商品、広告等への「認定マーク」を掲載できるようになり、会社の認知向上や幅広い人材の採用や確保につながります。

以前、国や地方で法定雇用率を達成せず、障害者の雇用人数の水増し問題がありましたが、適正な人数を報告ことは大切です。虚偽報告を行うと罰則の対象となります。

障害者を雇用することで、調整金や報奨金も受け取れます、トライアル助成金制度もあります。
今後一層障害者の雇用が進むことを望みます。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム MS2
https://humanprime.co.jp/







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障害者雇用納付金制度③ [障害者雇用]

今回は「障害者雇用納付金」の算定方法についてご紹介します。


まず、納付金計算のための準備をしましょう。

[ひらめき]算定基礎日を設定
各月ごとの労働者数及び雇用障害者数を把握する日を「算定基礎日」といいます。
各月の算定基礎日に雇用(在籍)していた労働者数及び雇用障害者数が、各月のそれぞれの数となります。
算定基礎日は各月ごとの初日とすることが原則ですが、各月ごとの賃金締切日とすることもできます。
なお、算定基礎日を賃金締切日とした場合であっても、賃金締切日に在籍している人を算入するものであり、
賃金受領者のみを算入するのではないことにご注意ください。
<例えば算定基礎日を1日とした場合>
4/1採用の人は4月の労働者数に算入しますが、4/2採用の人は算入しません(5月から算入)。
また、5/1退職の人は5月の労働者数に算入します。

[ひらめき]事業所ごとに、各月の算定基礎日に雇用(在籍)していた常時雇用している労働者数と短時間労働者数を把握
常時雇用している労働者の範囲、短時間労働者の範囲についてはこちら↓
http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2012-07-30

[ひらめき]上記の労働者数に基づいて、各月の法定雇用障害者数を算出
法定雇用障害者数の算出方法はこちら↓
http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2012-07-30

[ひらめき]事業所ごとに、各月の算定基礎日に雇用(在籍)していた障害者数を把握
雇用障害者数のカウント方法についてはこちら↓
http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2012-07-30


各月の算定基礎日ごとに、それぞれの人数のカウントができたら下記の計算式により
納付金の額を算出します。

障害者雇用納付金の額=(法定雇用障害者数-雇用障害者数)の各月の合計人数×50,000円(※)

【申告が必要な事業主】
各月の算定基礎日における算定の基礎となる労働者数が、、、
・300人を超える事業主
・200人を超える月が5ヶ月以上ある事業主(200人を超える月と200人以下となる月とを合わせた12ヶ月分を申告)
(注)納付すべき障害者雇用納付金の額が「0」となる事業主も申告が必要です。
(※)各月の算定基礎日における算定基礎となる労働者数が200人を超え300人以下の事業主は、
平成27年6月30日まで1人当たり40,000円の減額特例が適用されます。
(12ヶ月の間に、300人以下の月が8ヶ月以上あることが必要です)


申告書を提出しない場合には、納付金の他に納付金の額の10%の追徴金が課されますので、
漏れなく正しく申告書を作成しましょう。


高齢・障害・求職者雇用支援機構ホームページ↓↓
http://www.jeed.or.jp/disability/employer/employer01.html


株式会社ヒューマン・プライム/ヒューマン・プライム労務管理事務所 K

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障害者雇用納付金制度② [障害者雇用]

前回は制度概要をご紹介しましたが、今回は事業主が雇わなければならない障害者数「法定雇用障害者数」と、
現に雇用している障害者のカウント方法をご紹介します。

[1]法定雇用障害者数の算定方法
法定雇用障害者数=(常時雇用している労働者数※1(短時間労働者※2除く)+短時間労働者数※2×0.5)
×法定雇用率(詳細はこちらをクリック

※1 常時雇用している労働者の範囲
この制度における「常時雇用している労働者」とは、次の①または②に該当する労働者です。
①雇用(契約)期間の定めがなく雇用されている労働者。
②一定の雇用(契約)期間を定めて雇用されている労働者であって、その雇用(契約)期間が反復更新され
雇入れのときから1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者又は過去1年を超える期間について
引き続き雇用されている労働者。
なお、1年を超えて引き続き雇用されると見込まれるか否かについては、類似する形態で雇用されている
他の労働者が1年を超えて引き続き雇用されている等の実態にある場合には、雇用された日から1年を超えて
引き続き雇用されると見込まれる方として取り扱います。

※2 短時間労働者の範囲
この制度における「短時間労働者」とは、常時雇用している労働者のうち、次の要件のいずれにも該当する労働者をいいます。
①1週間の所定労働時間が、同一の事業所に雇用されている通常の労働者の1週間の所定労働時間よりも
短い労働者であること。
②1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満であること。

[ひらめき]注)正社員、契約社員、嘱託、パート、アルバイトなどの社内での呼称により判断されるものではありませんので、ご注意ください。

☆出向中の労働者
他企業へ出向されている方及び他企業から出向されている労働者のうち、本人に対して直接賃金を支払っている方については雇用している労働者として取り扱います。
なお、2以上の企業から本人に対して賃金を支払っている場合は、雇用保険の一般被保険者又は高年齢継続被保険者としている事業主が雇用している労働者として取り扱います。

☆海外勤務労働者
日本国内の事業所から海外派遣されている方は、日本国内の事業所で雇用している労働者として取り扱います。

☆外務員
保険会社や証券会社の外交員等のように、外務員の形態で就労する方のうち、雇用保険の一般被保険者又は
高年齢継続被保険者に該当する方は当該事業主が雇用している労働者として取り扱います。

☆役員
取締役、理事等の役員のうち、雇用保険の一般被保険者又は高年齢継続被保険者に該当する方は、当該事業主が雇用している労働者として取り扱います。


[2]雇用障害者数のカウント方法
常時雇用している労働者である障害者1人をもって、障害の種類、程度及び週所定労働時間で区分した下表の該当する欄の人数を雇用しているものとみなして障害者雇用者数を算定します。

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申告・申請の対象となる障害者は、身体障害者にあっては障害者手帳等によって、知的障害者にあっては
療育手帳(愛の手帳等)等によって、精神障害者にあっては精神障害者保健福祉手帳によって障害者である
ことを確認でき、かつ、常時雇用している労働者(短時間労働者含む)の方に限られます。


以上に従い、正しく人数を算定しましょう。


次回は申告・申請の手続き方法をご紹介します!つづく・・・


関連記事
障害者雇用納付金制度①
【法改正】障害者の法定雇用率


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障害者雇用納付金制度① [障害者雇用]

前回のブログに関連して、「障害者雇用雇用納付金制度」をご紹介したいと思います。

[1]障害者雇用納付金制度とは
障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善、職場環境の整備、特別の雇用管理等が
必要とされることが多く、経済的負担が伴うことから、この雇用義務を履行している事業主と
履行していない事業主とではその経済的負担に差が生じることになります。
障害者の雇用に関する事業主の社会連帯責任の円滑な実現を図る観点から、
この経済的負担を調整するとともに、障害者の雇用の促進と職業の安定を図るため、
事業主の共同拠出による「障害者雇用納付金制度」が設けられています。


[2]障害者雇用納付金制度の概要
○納付金の徴収⇒1人当たり月額50,000円
(200人を超え300人以下の事業主は、平成27年6月30日まで40,000円に減額されます)
常時雇用する労働者数が200人を超える事業主は、、
・納付金の申告が必要(法定雇用率を達成している場合も必要)
・雇用障害者数が法定雇用障害者数を下回っている場合は、納付金の納付が必要

○調整金の支給⇒1人当たり月額27,000円
常時雇用する労働者数が200人を超え、雇用障害者数がが法定雇用障害者数を超えている
事業主に対し、申請に基づき支給

○報奨金の支給⇒1人当たり月額21,000円
常時雇用する労働者数が200人以下で、雇用障害者数が一定数を超えている事業主に対し、
申請に基づき支給

○在宅就業障害者特例調整金の支給
在宅就業障害者等に仕事を発注した納付金申告対象事業主に対し、支払い総額に応じた額を、
申請に基づき支給

○在宅就業障害者特例報奨金の支給
在宅就業障害者等に仕事を発注した報奨支給金申請対象事業主に対し、支払い総額に応じた額を、
申請に基づき支給

○各種助成金の支給
障害者を雇い入れたり、雇用を継続するために職場環境の整備等を行う事業主に対し、
申請に基づき費用の一部を助成


[ひらめき]平成27年4月1日から、常時雇用する労働者数が100人を超え200人以下の中小企業事業主に納付金制度の適用が拡大されます。 ※平成28年度から申告の対象となります※
(平成27年4月1日から平成32年3月31日まで、納付金の額は40,000円に減額されます)


次回以降、具体的な人数の算定方法や金額の計算・手続き方法等をご紹介したいと思います。つづく・・・


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