協会けんぽの現状について~令和6年度の全国平均保険料率が決まりました~ [健康保険]

令和6年度協会けんぽの全国平均保険料率
12月20日の全国健康保険協会運営委員会で、「協会けんぽ」の令和6年度の保険料率が、今年度と同じ全国平均で10%に据え置くことが決まりました。中長期的な観点を考慮し、13年連続10%を維持することとなります。今後は、地域の事情に応じて、都道府県ごとの保険料率が決まり、3月分保険料(4月支給給与等からの控除分)から改定されます。

協会けんぽの現状
協会けんぽは中小企業の従業員やその家族およそ4000万人が加入しています。
運営する全国健康保険協会によりますと、令和4年度の医療保険の収支はおよそ4300億円の黒字となり、今後に備える準備金も4兆7000億円(5.6カ月分)余り積み上がりました。
※協会けんぽは、健康保険法160条の2より、各年度末において保険給付費や高齢者拠出金等の支払に必要な額の1カ月分を準備金として積み立てなければならないとされています。

しかし、下記の要因等で楽観視は出来ない状況ということです。
[exclamation]医療費の伸びが賃金の伸びを上回るという財政赤字の構造が解消されていない。
[exclamation]被保険者数の伸びの鈍化や、経済の先行きが不透明であること等からこれまでのような保険料収入の増加が今後も続くとは限らない
[exclamation]医療給付費が高い伸びで推移している
[exclamation]今後後期高齢者支援金の増加が見込まれる

今後5年間の収支見通しでは、賃金の上昇率を高く見積もった場合でも、令和9年度には赤字に転落し、準備金の取り崩しが始まるとしています。
[ひらめき]こうした現状を考えると、より多くの企業が健康経営に取り組むことはとても重要だと思います。
企業が健康経営を推進することで、体調を崩したり病気に罹る従業員が減り、病院の受診が減ることから、医療費や薬代が抑えられます。
健康経営によって従業員の健康度を上げ、医療費の削減につなげることが、企業に課せられた喫緊の課題ともいえます。
[ひらめき]一方、私たち一人ひとりも、ヘルスリテラシーを高めて健康寿命を延ばすことで、医療費削減に寄与することができます
年末年始には健康づくりの目標を立てて、「心身にいいこと」を始めてみてはいかがでしょうか。

参考
「協会けんぽ」来年度の保険料率 全国平均10%に据え置き決定 | NHK | 医療・健康
第127回全国健康保険協会運営委員会資料

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:I

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