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テレワークを取り巻く実情とは?自社でもできる? [労働時間管理]

テレワークとは

新型コロナウイルスの影響や東京オリンピックの開催にあたり、注目を集めているテレワーク[電話]
そのようなシステムがあるのはわかっているけど、導入にはなかなかインフラ整備や労働時間管理の観点から二の足を踏んでいる事業主が多いのが実情ではないでしょうか?


そもそもテレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語


テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます。


在宅勤務
自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファクスで連絡をとる働き方。


モバイルワーク
顧客先や移動中に、パソコンや携帯電話を使う働き方。


サテライトオフィス勤務
勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用した働き方。一社専用で社内LANがつながるスポットオフィス、専用サテライト、数社の共同サテライト、レンタルオフィスなどの施設が利用され、都市企業は郊外にサテライトを、地方企業は都心部にサテライトを置く。


それぞれの事情や環境に合わせた多様な働き方を提案できることは、就業者の幅を広げ雇用拡大へつながっていくことが期待されています。[わーい(嬉しい顔)]


[電話]実際にテレワークが適していると言われているのはこのような人たちです。[電話]

[ひらめき]妊娠・育児・介護などの理由、身体障害、あるいはケガなどにより、恒常的または一時的に通勤が困難な人:常時在宅勤務主体(ほぼ毎日在宅勤務)

[ひらめき]企画・総務・人事・経理などの管理部門、研究・開発部門の人
部分在宅勤務主体(週に数日在宅勤務)、出張時のモバイルワークも適する。

[ひらめき]営業やSE、サポートサービスなどの顧客対応業務の人
モバイルワークが主体、部分在宅勤務も適する。


またテレワーク推進に当たり、東日本大震災の時には政府が節電のためにテレワークをするように、以下のような方針を表明しています。
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平成23年5月13日、政府の電力需給緊急対策本部において「夏季の電力需給対策について」が決定され、節電啓発に係る政府の取組として、『テレワーク(在宅勤務等)などを通じ、ライフスタイルの変革等を進めることにより、節電を図る』ことが掲げられたところです。
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テレワークの普及により都市圏の節電が実現されれば、環境にも優しいですね。


テレワークの実情

テレワーク導入にあたっては、労務管理方法、情報通信システム・機器、テレワーカーの執務環境の3つの側面から必要事項を検討することが大切です。
労務管理方法については、在宅勤務の場合、多くの企業では週に1・2日程度の実施が多いため、現行の労務管理ルールをあまり変更しない場合がほとんどです。
情報通信システム・機器については、情報セキュリティに配慮したシステムの導入が必要です。
在宅勤務時の執務環境については、就業者の健康に配慮した環境になっていること、情報の物理的セキュリティを確保できることが重要です。
なお、テレワーカー宅における通信環境や光熱費の経費負担については、会社負担を基調としつつ、あらかじめ、会社とテレワーカーで取り決めをしておくことが重要です。

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一般社団法人 日本テレワーク協会


社会保険労務士法人ヒューマン・プライム AT
[電話][電話]

業務用スマホのGPS管理について [労働時間管理]

一人一台が当たり前になってきたスマートフォン。
数多くの人材を効率よく業務に従事させるために、法人で契約したものを個人スマホの
他に支給している会社も多いのではないでしょうか。またそのスマホを活用することにより業務効率化を図っている会社も昨今、多くあるのではないでしょうか?



業務上必要なケース1 運行管理
電車やタクシー車両の場所が把握できれば便利ですよね。お客様から迎車の到着までの所要時間の確認をされた時に対応しやすいです。

業務上必要なケース2 人員配置
例えば自動販売機の補充。作業員の位置情報がわかれば、急遽派遣が必要になった時でも、近くの作業員が対応できるので効率が良くなる能性があります。

業務上必要なケース3 勤怠管理
直行直帰型の営業職やイベント会場のスタッフ、展示会場で働く従業員の勤怠管理にもGPS機能で正確な管理ができますね。

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上記のようなケースでは業務時間内の位置管理は業務上、致し方ないケースもあると思います。
では業務時間外、会社に置いて帰らずにそのまま自宅での緊急連絡用に使っている会社。多いのではないのでしょうか?
その時にGPS機能ってオフにしている方ってほとんどいないのではないでしょうか。。。

GPS機能により業務時間外の位置情報がだだもれになるかも?!
実はそれ、最悪の場合、従業員のプライバシー侵害になってしまう可能性があります!!
従業員の立場からした時、アフターファイブや週末のプライベートを会社から監視されていたら。。。[ふらふら]
経営者の立場からしてもそんなつもりはないのに意図せずに、一定時間ごとに従業員の位置情報が収集されていたら。。。[がく~(落胆した顔)]
お互いにそのようなことになってしまうのは避けたいですよね。

そのために明確なルールをあらかじめ伝えておくことで、トラブルを未然に防ぐことができるかもしれません。


[ひらめき]従業員のプライバシー侵害にならないためには、まず、会社が支給するスマホであること、そして、会社側がそのような機能を持つアプリがインストールされていることを従業員に明示的に説明することが必要でしょう。

[ひらめき]勤務時間内のみGPSでの位置情報収集を行い、勤務時間外は位置情報収集を行わないようにするか、従業員側で、勤務時間外はアプリの位置情報収集機能を停止してよい、あるいはスマホの電源をオフにしてよいとルール化しておくことが必要と考えます。

弁護士ドットコムニュースより


たくさんの従業員の位置を正確に把握することで業務の効率化を図る事の出来るGPS機能はとても便利なツールです。
管理者と従業員の双方が導入の意図を正確に理解し、正しく使うことができるような基盤を正しく作れるようにしましょう。


社会保険労務士法人ヒューマン・プライム T

労働時間の適正管理に関する新ガイドライン [労働時間管理]

平成29年1月20日に厚生労働省から「労働時間の適正把握のために講ずべき措置の新ガイドライン」が公表されました。

新ガイドラインは、これまでの「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」に代わる位置づけとなり、従来の基準を拡充する形で構成されています。

<新ガイドラインのポイント>
[1]適正に把握すべき「労働時間」の考え方が明示されました。
労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示または黙示の指示により業務に従事する時間は労働時間にあたる。

この考えの下、以下のような時間は労働時間に含めるべき範囲として明示されています。
  ①業務に必要な準備行為や業務に関連した後始末を事業場内で行った時間
  ②指示により即時に業務に従事するため、労働から離れることが保障されていない状態で待機
   している時間(手待ち時間)
  ③業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、指示により業務に必要な学習を行った時間

これら以外の時間についても「労働契約、就業規則、労働協約等の定めによらず、労働者の行為が使用者から義務づけられ、または余儀なくされていたなどの状況の有無などから、個別具体的に判断されるもの」であるとされています。

[2]始終業時刻を確認・記録する方法の例として、「パソコンの使用時間の記録」が追加されました。
  【旧】タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
   ↓
  【新】タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、
     適正に記録すること。

[3]自己申告制で確認・記録を行う場合に講ずべき措置として次のような内容が新たに追加されました。
  ①自己申告制の対象となる労働者に、労働時間の実態を正しく記録し、
   適正に自己申告を行うことなどを十分説明すること。
  ②実際の労働時間を管理する者に、自己申告制の適正な運用を含めて、
   ガイドラインに従って講ずべき措置を十分説明すること。
  ③自己申告により把握した労働時間と実際の労働時間が合致しているかについて、
   必要に応じて実態調査を実施し、所要の補正をすること。
   特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータがある場合には、
   労働者からの自己申告による時間との間に著しい乖離(かいり)がある場合は実態調査を行い、
   所要の補正をすること。
  ④自己申告時間を超えて事業場内にいる時間について労働者にその理由などを報告させる場合は、
   その報告が適正に行われているか確認をすること。
   その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習などであるため労働時間ではないと報告されていても、
   使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱うこと。
  ⑤使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、
   上限を超える申告を認めないなど、適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。
   さらに、36協定により延長可能な時間を実態として超えて働いているにも関わらず、
   記録上は36協定を守っているようにすることが慣習的に行われていないかを確認すること。


このガイドラインが策定された趣旨は、自己申告制の不適正な運用などにより、過重な長時間労働や割増賃金の未払いといった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況が見受けられていることから発されました。
労働基準法において労働時間や休日などの規定が設けられていることから、使用者には「労働時間を適切に管理する義務」があります。
このガイドラインを参考に、現状の労働時間の把握方法が適正なものであるかを確認してみましょう[exclamation×2]

[ひらめき]「労働時間の適正把握のために講ずべき措置の新ガイドライン」(平成29年1月20日策定)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf

[ひらめき]「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平成13年4月6日 基発339)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/070614-2.pdf


社会保険労務士法人ヒューマン・プライム K


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労働時間のキホンと諸外国の労働時間制度 [労働時間管理]

前回、給与の支払いに関する基本について取り上げましたが今回は労働時間の大原則と日本と諸外国の労働時間制度の違いについて取り上げてみたいと思います。
前回のブログはこちら↓
『給与の支払いに関するキホン ~給与・賃金の原則について~』
http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01

<労働時間の大原則>
[位置情報]1日8時間、1週40時間を超えて働かせてはならないのが原則です。【労働基準法32条】
[位置情報]36協定(サブロク協定)の締結・届出することによって、初めて時間外労働(残業)を命じることができるようになります。
つまり、36協定は法定時間外労働を適法化することができます。(これを『36協定の免罰効果』といいます)

★36協定の詳細についてはこちら↓↓
 『36協定の重要ポイント①~事前に届出を行っていますか?~』
http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29
 『36協定の重要ポイント②~特別条項の内容は適正ですか?~』
http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2016-03-25

[位置情報]これに違反すると、刑罰(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となります。犯罪です!!
[足]時間外労働(残業)させた場合には、その残業時間に比例した割増賃金(残業代)を支払わなければなりません。

また、休憩については労働基準法34条で下記の通り定められています。
[位置情報]6時間を超えて働く場合は45分、8時間を超えて働く場合は1時間の休憩時間を、労働時間の途中
に与えなければならなりません。
つまり、労働時間が6時間であれば休憩は与えなくてもOK、8時間であれば45分の休憩を与えればOKということになります。

ところで、諸外国の労働時間や時間外労働の規則はどうなのでしょうか?
<労働時間制度に関する国際比較>
【平成26年2月3日第108回労働政策審議会労働条件分科会資料
資料No.2 労働時間・年次有給休暇等について】より抜粋しました。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000036442.pdf

~諸外国の労働時間の量的上限規制等について~
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労働時間の量的(絶対)上限規制は、時間外労働を含め、一定期間当たりの労働時間に上限を設けるものであり、EU諸国では、原則として週48時間の量的(絶対)上限規制が設けられています。日本では、上記の<労働時間の大原則>でも述べたように、法定労働時間を超えて労働させる場合には、労使協定(36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があり、36協定の内容については、法律に根拠をもった時間外労働の限度基準に基づき、助言指導を行うものとされているものの、日本の労働者の労働時間は依然として各国と比べても長く、長時間労働はいまだに大きな社会問題となっています。

余談ですが・・・
日本の年次有給休暇の取得状況は、厚生労働省が実施した「平成27 年就労条件総合調査の概況」によると、1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)は、労働者1人平均18.4 日、そのうち労働者が取得した日数は8.8 日で、取得率は47.6%と5割を下回っており、年次有給休暇の取得率についても低い水準にとどまっています。約16%の労働者が年次有給休暇を1日も取得しておらず、また、年次有給休暇をほとんど取得していない労働者については長時間労働者の比率が高い実態となっています。
これらを踏まえ、厚生労働省では年5日以上の年次有給休暇の取得が確実に進むような仕組みの導入が検討されています。(2020年までには年次有給休暇取得率70%を目標としているそうです)

日本の働く現状はまだまだ長時間労働、サービス残業、年次有給休暇未消化などの課題が蓄積していますが、それぞれのワーク・ライフ・バランスが実現できるよう今後の労働環境改善に期待したいですね。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム MA


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含み残業制度について [労働時間管理]

労働契約の1種として「含み残業制度」という契約の方法があります。

これは法律上の名称でもなく、法的に認められているものでもありません。

たとえば、労働契約書に次のように記載されているものが、こういった仕組みになります。

 基本給 月額30万円 (ただし、20時間分の残業代を含む)

こういった記載の場合の運用方法は、基本給30万円の中に20時間分の残業代が含まれているのだから、残業時間が10時間でも30万円を支払うことになります。

しかし、、、、
ある月の残業時間が30時間だったら、どうでしょう?

基本給に含まれているのは、20時間分だけなので、オーバーした10時間分は別途支払わなければ、労働基準法違反になってしまいます。

一般的には、「含み残業なんだから、残業してもしなくても基本給の30万円を支払っていれば大丈夫」という解釈が横行している感があります。
この裏には、残業時間が20時間より少ない月も全額支払っているんだから、ちょっとオーバーした月があっても相殺されるから、いいんじゃないの! という考えがあるのでしょう。

しかし、こういった考え方は通用しませんので、例えば監督署の臨検が有った場合などは、直ちに是正事項として指摘されるでしょう。

含み残業制のメリットは、給与計算時等の事務処理の軽減はあると思いますが、それ以外はあまりメリットはないでしょう。

弊社のクライアント様の中でも、この契約方法を採っていたのですが、景気の低迷で作業量が減ってしまい、残業がほとんどなくなってしまったにもかかわらず、毎月20時間分の残業代を支払わなければならない、といった担当者の悩みをききます。

労働時間の管理については、ますます強化される傾向にありますので、管理方法を改めて見直す必要がありそうです。

尚、この契約方法を採る場合は、契約書に含まれる残業の時間を記載するだけでは、NGとなることがあります。
正確には、30万円のうち、基本給部分が○○円、20時間の残業代に相当する部分が○○円といった記載が求められます。

式会社ヒューマン・プライム/ヒューマン・プライム労務管理事務所 O






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