定期健康診断を受けましょう! [安全衛生法]

新しい年度を迎え、健康診断を実施されている会社も多いことでしょう。

そこで今回は「定期健康診断」について述べたいと思います。

定期健康診断は安全衛生法施行規則第44条にて、「常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期に医師による健康診断が必要」と定められています。

[ひらめき]常時使用する労働者とは(H19.10.1基発1001016)
期間の定めのない労働契約により使用されるもののほか、期間の定めがある労働契約により使用されるものであって、1年以上使用されることが予定されている者も該当します。
[ひらめき]パートタイム労働者(H5.12.1基発663)
パートタイム労働者であっても、1週間の所定労働時間数が通常の労働者の4分の3以上であるものは、常時使用する労働者に該当し、健康診断の対象となります。
[ひらめき]医師による健康診断とは
産業医を選任している事業場であっても外部の健康診断機関に委託して実施しても差し支えありません。

<法定の受診項目>
 1.既往歴及び業務歴の調査、喫煙歴、服薬歴などの調査
 2.自覚症状・他覚症状の有無の検査
 3.身長(※1)、体重、視力及び聴力、腹囲(※2)の検査
 4.胸部エックス線検査及び喀痰検査(※3)
 5.血圧の測定
 6.貧血検査
 7.肝機能検査
 8.血中脂質検査
 9.血糖値
10.心電図検査
11.尿検査
※1 身長:20歳以上の者について身長は測定省略が可能
※2 腹囲:40歳未満の者、妊婦、BMIが20未満の者などは医師の判断で省略可能
※3 胸部エックス線:40歳未満の者(20歳、25歳、30歳及び35歳の者を除く)で次のア及イのいずれにも該当しない者
   ア 感染症予防法施行令第12条第1項第1号に掲げる者・・・学校、病院など
   イ じん肺法第8条第1項第1号又は第3号に掲げる者・・・常時粉じん作業に従事する者
※3 喀痰検査:胸部エックス線検査により病変の発見されない者、結核発病のおそれがないと診断された者、胸部エックス線検査を省略できる者は省略が可能
・⑥~⑩の項目については、40歳未満(35歳は除く)の者は省略が可能
・省略は過去の健康診断や自覚症状及び他覚症状の有無などを元に医師が判断

[ひらめき]健康診断の受診に要した時間の賃金支払いは必要??
通達では「いわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保を図ることを目的として事業主にその実施を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した時間について当然には事業主の負担すべきものではなく労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることと考えると、その受診に要した時間の賃金を事業主が支払うことが望ましい」(S47.9.18基発602)
つまり、賃金の支払いについては、労使の取り決めによるものとされていますが、実施目的からみても、賃金保障が必要と考えるのが普通のようです。

[ひらめき]健康診断の費用は誰が負担するの??
安全衛生法には、会社・従業員のどちらが費用を負担すべきかまでは規定されていませんが、通達にて「法律で実施を義務づけている健康診断費用については、当然、事業主が負担すべきもの」と明記されています。(S47.9.18基発602)

定期健康診断を怠り、万が一労災事故が発生してしまった場合には、事業主の安全配慮義務が問われることになりかねませんので必ず実施するようにしましょう[exclamation×2]

株式会社ヒューマン・プライム/ヒューマン・プライム労務管理事務所 K

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