驚きのランサムウェア事情 [セキュリティ]

3年連続で「脅威 第1位」となったランサムウェア攻撃は、2023年上半期も猛威をふるいました。身近な企業やサービスが被害を受けたとのニュースを耳にして、「これは危ない」と気を引き締めた方も多いのではないでしょうか。

昨年、世界ではサイバー攻撃によって6兆ドルもの損害が発生したとのこと。2025年には年間被害額は10.5兆円にも昇るだろうと予測され、これは全世界の自然災害による損害より大きく、全世界の違法薬物による犯罪収益よりも高いと言われています。

令和5年3月、警察庁サイバー警察局の報告書によると、日本に於ける2022年度のランサムウェア被害件数は230件。前年比は約58%増です。
ネットバンキングの被害件数は1,136件で、何と前年比95%増となっており、被害金額は約1,000億円!
ただしこの数字は氷山の一角。不正アクセス被害に遭った企業・団体のうち、44%は何故か警察に届け出なかったそうです。

そもそもランサムウェア攻撃とは、添付ファイルやメールのリンクをきっかけに、標的となる組織のネットワークに忍び込んで情報を盗みランサムウェアを実行。ファイルの暗号化やPCをロックするなどして相手を攪乱します。続いて「身代金を払わないと情報を流出させるぞ。暗号も解かないぞ。」と脅迫してくるのがパターン。ファイル暗号化と情報流出の2重の脅しによって多額の身代金を支払わざるを得なくなっている、という仕組みです。

セキュリティが堅牢な大企業ではなく、メインターゲットは中堅・中小企業とのこと。
何より驚きなのは、最近では闇サイトに於ける「定額ランサムウェアレンタル」なるものが行われているのだとか。知識の無い素人が毎月10万円程度でプログラムを借り受け、1億円の脅迫をあちらこちらで実行していると考えれば、こうも被害数が増えているのにも頷けます。

犯罪すらサブスクとは…。聞いているだけで空恐ろしくなってしまう一方、夏季休暇を前に何となく浮き足立った時期であるのも事実。旅行会社やイベント企業を装ったフィッシングメールが届き、触れてはいけないリンクを開いてしまうかもしれません。

くれぐれもメール内リンク、添付ファイルにはお気を付けて。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:n54