人事制度は人を変える [人事制度]

 大阪地検特捜部の主任検事が、こともあろうに押収した証拠を改ざんした容疑で逮捕されました。なぜ彼は検察への国民の信頼を一気に失墜させるような行為に及んだのでしょう。
 背景には、個人の資質もさることながら組織の風土の問題が大きいと思います。あのようなことをしてまでも手柄を上げたかったのは、成果を最も優先し重視するという、「暗黙の評価基準」が組織の中に知らない間に醸成されていたのではないでしょうか。
 人間が持つ上昇志向や組織に対する忠誠心、同僚に対する競争心を刺激し、そして成果を上げた者はより厚く処遇する。人事制度にはそういう側面があることは否めませんから、今回の事件のように成果を上げるために手段を間違える人も出てきます。かつて、常識外の厳しい取立てが問題となり営業停止
処分を受けた大手消費者金融も同じで、その背景にはノルマを課して成果を競わせるという、過激な人事制度があったようです。
 
 人事制度は組織の風土を作り、社員の行動を変える。それだけのパワーを 持っているものであることを認識し、その力を十分に利用できるように設計し、運用していきたいものです。

株式会社ヒューマン・プライム/ヒューマン・プライム労務管理事務所

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