みなし労働時間制 [労働基準法]

みなし労働時間制とは?

一般の方特に経営者の方は、「みなし労働時間制」という言葉を聞くと、「残業代を支払わなくてもいい!」と考えていらっしゃる方が非常に多いと思います。

この「みなし労働時間制」という概念は、労働基準法に定めがあり、残業代を支払わないための制度ではありません。
通常は、労働時間はきちんとタイムカードや勤怠システムなどで管理する義務が会社側にはありますが、労働時間の把握・管理が難しい場合は、○○時間働いたとみなして、賃金を支払うことができます。これを「みなし労働時間制」といいます。

みなし労働時間制には、

     ・事業場外のみなし労働時間制
     ・専門業務型裁量労働時間制
     ・企画業務型裁量労働時間制

があります。

このうち、事業場外のみなし労働時間制とは・・・

1.労働者が事業場外で労働し、労働時間の算定が困難な場合には、所定労働時間労働したものとみなされます。
2 その業務を行うためには、通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」または労使協定で定めた時間労働したものとみなされます。

という定義となります。

たとえば、外に営業に出て、ほとんど出っ放しのような働き方はこの事業場外のみなし労働時間制に該当します。時間の算定が困難なため、所定労働時間を働いたものをみなしてよいわけです。

この「所定労働時間を働いたものとみなす」ということは、実際は営業に9時間かかったとしても、また5時間で直帰したとしても8時間働いたこととする、ということです。

業務を遂行するために、8時間で足りない、という場合には、労使協定によって業務の遂行に必要な時間を決めます。たとえば、9時間と定めたなら、直行直帰でも9時間労働したこととなります。
この場合、賃金はこの労働時間に見合ったものとなっていなければなりません。

事業場外のみなし労働時間制の対象になっている労働者でも、事業場にて労働した時間は、別途労働時間の管理が必要となり、みなし労働時間とは別に賃金の支払が必要となります。


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