36協定の重要ポイント②~特別条項の内容は適正ですか?~ [労働基準法]

前回のブログ(こちら⇒http://humanprime.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29)では、法定労働時間を超えて働かせたり、法定休日に働かせたりする可能性がある場合は、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要がある旨をご説明しましたが、今回はその法定労働時間を超えて時間外労働を行う特別の事情が予想される場合には、「特別条項付き36協定」を締結することにより、限度時間を超える労働をさせることができることについて説明します。

[ひらめき]特別条項付きの36協定を締結するにあたっては、以下の要件を満たしていることが必要です。
[1] 原則としての延長時間(限度時間以内の時間)
[2] 限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情 (注1)
[3] 原則としての延長時間を延長する場合に労使がとる手続 (注2)
[4] 限度時間を超える一定の時間
[5] 限度時間を超えることができる回数(1年の半分を超えてはならない)
[6] 限度時間を超える一定の時間を定めること
[7] 限度時間を超える一定の時間を定めるにあたっては、その時間をできる限り短くするように努めること
[8] 限度時間を超える時間外に係る割増賃金率を定めること
[9] 限度時間を超える時間外に係る割増賃金の率は、法定割増賃金率(2割5分以上)を超える率とするように努めること

(注1)
特別の事情は「臨時的なもの」に限られ、具体的には一時的または突発的であることが必要です。全体として1年の半分を超えないことが見込まれるものを指します。
 <臨時的と認められるものの例>   
   ・予算、決算業務 ・ボーナス商戦に伴う業務の繁忙 ・納期のひっ迫 
   ・大規模なクレームへの対応 ・機械のトラブルへの対応
 <臨時的と認められないものの例>   
   ・(特に理由を限定せず)業務の都合上必要なとき 
   ・(特に理由を限定せず)業務上やむを得ないとき 
   ・(特に理由を限定せず)業務繁忙なとき 
   ・使用者が必要と認めるとき ・年間を通じて適用されることが明らかなとき

(注2)
厚生労働省が提供している雛型が「労使協議を経て」となっているため、そのまま使用してしまい、実際は協議の手続きを怠っていませんか?この定めた手続きをとらずに延長時間を超えて労働させた場合は、労働基準法第32条違反となり、労働基準監督署の調査では是正勧告の対象となります。なお、手続き方法は「協議」「通知」「通告」「同意」等、36協定の趣旨に反しなければ差し支えないとされているので、会社の実態に合った手続きを選択する必要があります。また、手続をとったその事実(時期・内容・相手方)を明らかにする証拠として書面等を残しておく必要があります。証拠がないと労働基準監督署の調査では指導の対象となってしまいます。

~特別条項の記載例~
一定期間における延長時間は、1ヵ月45時間、1年360時間とする。ただし、通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、特に納期がひっ迫したときは、労働者へ通知のうえ、6回を限度として、1ヵ月60時間、1年630時間までこれを延長することができる。なお、延長時間が1ヵ月45時間、1年360時間を超えた場合の割増賃金率は30%とする。

特別条項に定めるべき延長できる時間数の上限はありませんが、だから言って適当な時間で協定すればいい訳でもありません。会社には労働者の健康を守る「安全配慮義務」が課されていますので、時間の設定にあたっては残業の実態を把握することや、会社と労働者で十分に話し合って決定することが望まれます。また、その設定した時間はあくまでも「上限」ですので、できる限り延長時間は短くするように努力しなければなりません。
以上を踏まえたうえで、適正な「特別条項付き36協定」を締結するよう心掛けることが大切です[exclamation×2]

[ひらめき]最新情報[ひらめき]
「残業80時間以上で労基署立ち入り[exclamation&question]
詳しくはこちら⇒http://humanprime.co.jp/contents/hoka/20160325.pdf

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム K


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雇用保険の基礎編② [雇用保険-基礎編]

今回は雇用保険加入の対象にならない人についてご案内します[exclamation×2]

Q.どんな人が雇用保険被保険者にならないの?
A.
(1)1週間の所定労働時間が20時間未満である人

(2)同じ会社で継続して31日以上雇用されることが見込まれない人

(3)65歳に達した日以後に新しく雇用される人
  (短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者に該当する人を除く)
   [ひらめき]最新情報[ひらめき]
   65歳に達した日以後に新たに雇用される人を「高年齢被保険者」として、
    雇用保険の加入対象者とすることが現在、国会審議中です。(H29.1.1施行予定)

(4)海外で現地採用される人

(5)昼間学生
  ①卒業見込 ②休学中 の場合は被保険者となります。

(6)船員であって1年を通して特定漁船以外の船員に乗り組むために雇用される船員

(7)公務員等で退職時に受ける諸給与が失業給付の内容を超える場合

(8)会社・団体の代表者・取締役・執行役員・監査役員…原則として被保険者になりません。
  ※同時に部長・支店長・工場長等の会社の従業員としての身分も有していて
   就労実態や給与支払などの面からみて労働者的性格が強く雇用関係が明確に
   存在している場合に限り被保険者となります。
   被保険者となる場合は「兼務役員雇用実態証明書」の提出が必要です。
   [次項有]http://tokyo-hellowork.jsite.mhlw.go.jp/kakushu_jouhou/sinsei_todokede/koyounushi/koyou_hoken.html

(9)家事使用人…原則として被保険者にはなりません。

(10)雇用関係が明確に存在していない生命保険会社等の外務員・外交員・営業部員等

(11)個人事業の事業主と同居している親族は、原則として被保険者となりません。


その他の詳しい事例のURLはこちら↓(労働局)
http://tokushima-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/riyousha_mokuteki_menu/jigyounushi/jigyounushi_jouhou/koyou/koyou06.html


社会保険労務士法人ヒューマン・プライム W

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「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」について [厚生労働省]

厚生労働省は、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表しました。

近年、がんや脳卒中、心疾患、糖尿病などの疾病により、治療と職業生活の両立を余儀なくされる方が増え、それに対応できるよう職場での取り扱いについてまとめたものです。

適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、継続的な就業を支えるのが目的となっています。

特に年間85万人が罹患し、そのうちの約3割が就労世代とされる「がん」については、治療が長期化したり、がん診断によってメンタルヘルスの不調に陥り、早まって退職を選択するケースもあり、十分な留意が必要とされています。

厚生労働省では今後はセミナーなどを実施したり、平成28年4月以降は労働局や労働基準監督署、関連する経済団体、地方公共団体、等で積極的にこのガイドラインを周知していく予定です。

厚生労働省ガイドラインの詳細はこちらから↓↓↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113365.html


従業員が病気に罹り、その病気が長期化するような場合、本人も会社もどのように対応したら良いのか、本当に難しい課題だと思います。
社会全体が両立支援に向け本格的に動き出せば、明るい未来へ繋がりますね。そう願います。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム M



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事業主等が雇用継続給付申請をする際の個人番号の取扱いが変わります!! [雇用保険]

平成28年2月16日より、事業主等が雇用保険継続給付の申請を行う場合の個人番号の取扱いが変更になります。

雇用保険法施行規則の一部を改正する省令が、平成28年2月16日に施行され、雇用継続給付の申請は原則として、事業主を経由することになります。(原則なので本人が提出する事も可能です)
これにより、申請を行う事業主等は、番号法上では※個人番号関係事務実施者として取扱うこととなり、事業主が申請を行う場合、事業主※番号確認・身元確認を行う為、申請先のハローワークへ代理権の確認書類や個人番号確認書類の提出の必要がなくなります[手(チョキ)]

詳しい情報、Q&Aなどは下記の資料をご参照下さい。
ハローワークインターネットサービス

※個人番号関係事務実施者とは・・・マイナンバーを記載する事務を個人情報関系事務、その実施者である企業は個人番号関係事務実施者となります。

※番号確認・身元確認とは・・・番号確認(正しい番号であることの確認)、身元確認(番号の正しい持ち主である事の確認)。確認方法の例としては、マイナンバーカード、通知カード+免許証などがあります。
より詳しい方法につきましては、下記をご参照下さい。
内閣官房 本人確認の措置について



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