職場における熱中症予防対策 [安全衛生]

梅雨が明ければいよいよ夏本番、近年は猛暑になることも多く、熱中症の注意が必要です。
今回は、職場における熱中症の特徴と対策をご紹介します。

1, 職場における熱中症の特徴
厚生労働省では「職場における熱中症予防対策マニュアル(令和3年改訂/最新版)」にて、職場における熱中症を生じやすい職場や作業の特徴を次のように挙げております。

〇熱中症を生じやすい職場
・炎天下の屋外作業など一般の環境よりも高温多湿の職場
・業務に従事する人々が自身の症状に合わせて休憩等を取りにくい職場
・運動競技ほどには高い身体負荷はかからないものの身体活動が持続する時間が長い職場
・労働安全衛生保護具の着用により体熱が放散しにくい状況になりやすい職場

〇熱中症を生じやすい作業
・作業を始めた初日に身体への負荷が大きく、休憩を取らずに長時間にわたり連続して行う作業
・通気性や透湿性の悪い衣服や保護具を着用して行う作業
・梅雨から夏季になる時期で急に暑くなった作業

2.職場の熱中症予防対策
厚生労働省では、「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」にて、主に中小企業の事業主や安全・衛生管理担当者に向けた注意喚起を行っております。
ここでは、職場の熱中症予防対策をご紹介します。

〇作業環境管理、作業管理
・休憩場所の整備(冷房を備える、身体を冷やすことのできる氷等の物品を設ける)
・暑熱への順化(計画的に暑熱への順化期間を設ける)
・水分・塩分の摂取(自覚症状の有無にかかわらず定期的な水分・塩分の摂取を指導する)
・服装(透湿性・通気性の良い服を着用する)
〇健康管理
・健康診断結果に基づく措置(医師等の意見を聴き、必要に応じて就業場所の変更や作業の転換など適切な措置を実施する)
・日常の健康管理(睡眠不足、体調不良、前日の飲酒、朝食の未摂取などについて指導を行う。また、必要に応じて健康相談を行う)
・労働者の健康状態の確認(作業中の巡視)
〇労働衛生教育
・作業の管理者/労働者に対して、熱中症の症状及び事例と予防方法、 緊急時の救急処理※について教育を行う
※救急処置について
・熱中症の発症に備えて、あらかじめ病院・診療所等の所在地及び連絡先を把握し、また、緊急連絡網を作成して関係者に周知する
・熱中症を疑う症状が現れた場合には、救急処置として涼しい場所で体を冷やし、水分及び塩分の摂取等を行う

[ひらめき]厚生労働省は、全ての方に向けて「熱中症予防のための情報・資料サイト」を開設し情報提供を行っております。こちらもご確認ください。

参考
熱中症予防のための情報・資料サイト
職場における熱中症予防対策マニュアル(令和3年改訂/最新版)
職場の 熱中症予防対策は万全ですか?
働く人の今すぐ使える熱中症ガイド



社会保険労務士法人ヒューマン・プライム I


共通テーマ:健康

「フリーランス新法」の成立とフリーランス保護の促進について [法改正]

  特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス新法」)が令和5年4月28日に国会で成立し、5月12日に公布されました。フリーランス新法の概要は以下のURLよりご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001101551.pdf

 フリーランスが行う取引は、通常、企業組織である事業者が発注者となることが多く、発注者とフリーランスとの間には、役務等の提供に係る取引条件について情報量や交渉力の面で格差があります。そのため、フリーランスが自由かつ自主的に判断し得ない場合があり、発注者との取引において条件が一方的に不利になりがちです。フリーランス新法の施行により、以下のことが発注側に義務付けられ、違反した場合には、罰則が科されることになります。
 ・給付の内容、報酬の額などを書面または電磁的方法で明示すること
 ・報酬を60日以内に支払うこと
 ・ハラスメント行為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じること など

 フリーランスについては、令和3年3月26日に「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(以下「ガイドライン」)が内閣官房 公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省によって策定されており、以下の内容が示されています。

 ①フリーランスの定義などの基本事項
 ➁フリーランスと取引を行う事業者が遵守すべき事項
 ③仲介事業者が遵守すべき事項
 ④現行法上「雇用」に該当する場合の判断基準

 ガイドラインでは、フリーランスの定義を、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」としています。
 なお、「フリーランス」の定義に該当する場合でも、現行法上「雇用」に該当すると判断されると、フリーランスは、労働基準法、労働安全衛生法などの法律上の「労働者」とされ、発注者となる事業者は、使用者として法律に基づく様々な義務や責任を負うことになりますので、注意が必要です。

 例えば、労働基準法上の労働者に該当すれば、労働時間や賃金などに関するルールが適用されることになります。
 ガイドラインでは、労働基準法における「労働者性」の判断基準とその具体的な考え方は以下のように概要でまとめられています。

 (1)「使用従属性」に関する判断基準
   ①「指揮監督下の労働」であること(労働が他人の指揮監督下において行われているか)
   ②「報酬の労務対償性」があること(報酬が「指揮監督下における労働」の対価として支払われ   
    ているか)
 (2)「労働者性」の判断を補強する要素
   ①事業者性の有無(仕事に必要な機械等を発注者等と受注者のどちらが負担しているか等)
   ②専属性の程度(特定の発注者等への専属性が高いと認められるか)

最後に
 フリーランスは、自己のスキルを活かすことができ、また、事業主からの指揮命令を受けることなく時間の制約を受けない働き方が可能です。
フリーランス新法施行によりフリーランスの環境が整備されることで、働き方の選択肢の一つと考える人が増えていくのではないかと思います。
 一方、発注者にとっても、専門的な業務やシステム構築などの一定の業務だけを時限的にフリーランスに委託すれば経費の削減などにつながるため、フリーランスとして働く人が増えることは、フリーランスの選択肢や活用機会が増えることにつながり、発注者にとってもメリットが大きいと思います。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム MS2
https://humanprime.co.jp/


共通テーマ:仕事

Windows10 はいつまで使える? [セキュリティ]

2023年4月の段階でWindows10のシェアは63%。
Windows7や8のサポートが2023年1月で終了したため、そこから10に移行したケースもあり、いまだに多くの方が10を使っています。

そのWindows10全体のサポート終了日は2025年10月14日。
現行の「22H2」が最終バージョンで、今後、新たな機能更新プログラムが提供されることはない、と先日マイクロソフトが発表しました。

※ご利用になっているWindowsのバージョンは、10の場合、「スタート」ボタンを右クリックして、表示されるメニューから「システム」-「Windowsの仕様」から確認できます。

ならばあの面倒なWindowsアップデートはもうする必要がないのか、と言われればそうでなく、セキュリティパッチやバグ修正プログラムは変わらずに提供されますので、この先もWindows10を使い続ける限り、必ず更新作業は行ってください。
あくまでも「新機能の提供がない」だけです。

※なお、Windowsのバージョンが「22H2」よりも古い場合も、職場のシステム担当者よりストップの指示が出ていない限り、アップデート作業を行うことをオススメします。

今後、Windowsの最新機能を利用したい場合は、Windows11にアップデートするしかなくなりました。
タスクバーの右下に青いポッチのついた「Windows11アップグレード」アイコンが表示された場合は、引き続き10を使い続けなければならない強固な理由(11では動かない業務ツールを使っている、RPAで画面参照を利用しているなど)がない限り、潔く(?)アップグレードしてしまった方が良いかもしれません。いずれ替えねばならないのですから。

当初は取っ付きにくいと思われた11のインターフェースや操作性も、使っているうちに慣れてきて、たまに10を触ると、逆に使いにくく感じたりするものです。(個人の感想です)

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:n54