職場におけるパワーハラスメント対策はどうしたら良いか [法改正]

ご存じの通り、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(略称「労働施策総合推進法」という。)が改正され、令和4年4月1日より職場におけるパワーハラスメント(以下「パワハラ」という。)対策が中小企業にも適用され、全企業に義務化されます。パワハラだけでなくセクシュアルハラスメント等の様々なハラスメントは、従業員が能力を十分に発揮することの妨げになることはもちろん、個人としての尊厳や人格を不当に傷つける等の人権に関わる許されない行為です。また、企業にとっても、職場秩序の乱れや業務への支障が生じたり、貴重な人材の損失につながり、社会的評価にも悪影響を与えかねない大きな問題です。

職場におけるパワハラとは、職場において
① 優越的な関係を背景とした言動であって
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③ 労働者の就業環境が害されるもの
であり、①~③のすべての要素を満たすものorすべての要素が満たされるものを言います。

具体的に、どのような行為が職場におけるパワハラに該当するかにつきましては、厚生労働省の資料「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf)にてご確認ください。

では、職場におけるパワハラ対策として企業はどうしたら良いでしょうか。

上記、厚生労働省の資料の中には、以下のようにあります。

ハラスメント対策は、措置を設けただけで完成するものではありません。また、有効な対策は企業ごとに異なるものであり、法律の内容に沿って、企業の実情を踏まえて対策を充実させる努力を続けましょう。
● 周知・啓発は、一度行えば良いというものではありません。
・定期的に研修を実施する。
・管理職層を中心に階層別に分けて研修を実施する。
・正規雇用労働者だけでなく、パート、アルバイト、派遣労働者などの非正規雇用労働者も対象に含めて研修を実施する。
・新入社員の入社時期、異動の多い時期に合わせて研修を実施する。
などにより、全ての労働者に対して周知を図る工夫をしましょう!
● 社内ネットワーク上に周知文書を掲載する例も見られますが、掲載されていることを労働者が知らないということであれば周知しているとは言えません。掲載や更新の都度、その旨をメール等で全労働者に周知することが必要です。
● また、社内アンケートなどで労働者の意識やハラスメントの実態を把握したり、社内の対策について意見を聞くことは、職場におけるハラスメントの未然防止や働きやすい職場環境の整備に役立ちます。

パワハラに対する禁止規定や懲戒規定を作成し、定めておくことは勿論重要ですが、従業員等に研修や周知文書を作成し、パワハラに対する理解を深めてもらわないと、企業の対策にはなりません。また、相談・苦情への対応の流れを整備し、ハラスメントが起こった場合に備えて準備しておくことも必要になります。
ぜひ、中小企業の事業主様におかれましては、4月1日の施行に向けて準備を進め、研修などで従業員等にハラスメントへの理解を深めて頂くようお願いしたいと思います。

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国民年金手帳が廃止になります!(令和4年4月1日施行) [法改正]

年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(令和2年法律第40号、令和2年6月5日公布)により、令和4年4月以降、新たに国民年金第1~3号被保険者となった者(20歳到達者、20歳前に厚生年金被保険者となった者等)への国民年金手帳は交付されず、資格取得のお知らせとして基礎年金番号通知書が送付されます。

国民年金手帳については、従来、
(1) 保険料納付の領収証明
(2) 基礎年金番号の本人通知
という機能を果たしていましたが、電子データ化されたこと、個人番号の導入によって、手帳という形式で果たす必要性がなくなったため、廃止されることとなります。

なお、年金手帳から新制度に移行する際の経過措置として、年金手帳の再交付申請は廃止されますが、法律施行までに送付された年金手帳については、引き続き基礎年金番号を明らかにすることができる書類として利用できることが規定されています。

ちなみに、自分の基礎年金番号がわからない場合、年金手帳で基礎年金番号を調べる以外にも、基礎年金番号が印字されている書類で確認する方法があります。

日本年金機構のホームページでは、基礎年金番号が印字されている書類として、以下のようなものが紹介されています。

【基礎年金番号が印字されている書類】

・国民年金保険料の口座振替額通知書
・国民年金保険料の納付書、領収書
・年金証書
・各種通知書等(年金額改定通知書、年金振込通知書等)
・平成28年度「ねんきん定期便」(平成28年4月から平成29年3月発送分)

↓「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」はこちら!
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf

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タグ:年金 手続き

くるみん認定、プラチナくるみん認定の認定基準等の改正について [法改正]

「次世代育成支援対策推進法」とは、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整備するために定められた法律です。この法律において、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、労働者の仕事と子育ての両立に関する「一般事業主行動計画」の策定・届出・外部への公表、労働者への周知を行うことが義務とされています(100人以下の企業は努力義務)。
また、策定した「一般事業主行動計画」に定めた目標を達成したなどの一定の基準を満たした企業は、申請することにより、厚生労働大臣の認定・特例認定を受けることができます。
令和4年4月1日からこの認定制度が改正されます。改正のポイントは以下のとおりです。

ポイント1
くるみんの認定基準とマークが改正されます。
① 男性の育児休業等の取得に関する基準が改正されます。
男性の育児休業等取得率 現行:7%以上令和4年4月1日以降:10%以上
男性の育児休業等・育児目的休暇取得率
           現行:15%以上令和4年4月1日以降:20%以上

② 認定基準に、男女の育児休業等取得率等を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/ p.3参照)で公表することが新たに加わります。
ただし、認定に関する経過措置があります。
① 令和4年4月1日から令和6年3月31日の間は、現行の男性の育児休業等の取得に関する基準  の水準でも認定を受けることができます。なお、この場合に付与されるマークは現行マークとなります。
② 施行後の行動を評価するため、令和3年度末までに開始した行動計画で令和4年度以降に認定申請を行う場合は、令和3年度末までの計画期間を含めずに、令和4年度以降の計画期間を計画期間とみなすことができます。

ポイント2
プラチナくるみんの特例認定基準が改正されます。
① 男性の育児休業等の取得に関する基準が改正されます。
男性の育児休業等取得率 現行:13%以上令和4年4月1日以降:30%以上
男性の育児休業等・育児目的休暇取得率
            現行:30%以上令和4年4月1日以降:50%以上

② 女性の継続就業に関する基準が改正されます。
出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合
           現行:55%令和4年4月1日以降:70%

ただし、特例認定に関する経過措置があります。
① 令和4年4月1日から令和6年3月31日の間は、現行の男性の育児休業等の取得に関する基準や女性の継続就業に関する基準の水準でも認定を受けることができます。
② 施行後の行動を評価するため、令和3年度末までに開始した行動計画で令和4年度以降に認定申請を行う場合は、令和3年度末までの計画期間を含めずに、令和4年度以降の計画期間を計画期間とみなすことができます。
特例認定の取消に関する経過措置もあります。
プラチナくるみんは認定取得後、「両立支援のひろば」にて公表した「次世代育成支援対策の実施状況」が同じ項目で2年連続で基準を満たさなかった場合に取消の対象となりますが、今回の認定基準の改正に伴い、公表前事業年度が令和4年4月1日から令和5年3月31日までを含む場合は、新基準を満たしていなくても現行の基準を満たしていれば取消の対象とはなりません。
詳しい経過措置の詳細は厚生労働省ホームページをご参照ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11367.html

ポイント3
新たな認定制度「トライくるみん」が創設されます。
くるみんとプラチナくるみんの認定基準が引き上げられますので、現行のくるみんと同じ基準で認定が受けられる「トライくるみん」が、3つ目の認定制度として創設されます。
※トライくるみん認定を受けていれば、くるみん認定を受けていなくても直接プラチナくるみん認定を申請できます。

ポイント4
新たに不妊治療と仕事との両立に関する認定制度が創設されます。
詳細は、厚生労働省ホームページ資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/jisedai.pdf
P4をご覧ください。

なお、ヒューマン・プライムチャンネルで、HP通信第321号「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくり」の動画解説を配信しておりますので合わせてご視聴ください。
https://www.youtube.com/watch?v=W-EBkctGSyg

今回の認定基準の改正は、男性の育児休業取得率向上を大きな目的とする育児・介護休業法の改正が背景にあると考えます。
くるみん認定やプラチナくるみんの特例認定基準が同時に引き上げられますが、認定を受ければ、厚生労働省が認定する「子育てサポート企業」としての価値が向上し、より一層、会社内外にアピールできるようになると思います。「一般事業主行動計画」の策定・届出・公表義務は常時雇用する労働者が101人以上の企業が対象ですが、100人以下の企業でも「一般事業主行動計画」を策定・届出・公表を行い、くるみん等の認定を受けることが可能です。また、資料(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/jisedai.pdf)にありますように、常時雇用する労働者が300人以下の中小企業には上限50万円の助成金制度もあります。
助成金も活用し、ぜひ、多くの会社で認定を受けて頂きたいと思います。

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健康保険証の直接交付が可能になりました!(令和3年10月1日施行) [法改正]

従業員が社会保険の資格を取得すると、協会けんぽ等の保険者から被保険者及び被扶養者の
健康保険証が事業主に届きます。

健康保険法施行規則では、保険者が事業主に保険証を送付し、
送付を受けた事業主が遅滞なく被保険者に交付しなければならないと定められていたため、
コロナ禍でも担当者が保険証を手渡しするためだけに出社を余儀なくされているケースもあり、
テレワークの推進を阻害しているとの問題が指摘されていました。

そこで、「保険者が支障がないと認めるとき」は、保険者から被保険者に対して
健康保険証を直接送付することが可能となりました。

なお、厚労省のQ&Aによると、退職などで資格を喪失した際、
被保険者から直接保険者に保険証を返すことができるかというと、
こちらは「できない」とされており、被扶養者の異動時などの保険証の返納を含め、
返納時は、事業主経由を省略できず、事業主が回収しなければならないとされています。

↓「被保険者証等の直接交付に関するQ&A」が掲載された通達はこちら!
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210816S0030.pdf

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改正育児・介護休業法について [法改正]

こんにちは、こんばんわ

来年4月1日から改正育児・介護休業法が段階的に施行されます。

概要は以下の通りです。
令和4年4月1日施行
・育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
・有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件の緩和
令和4年10月1日施行
・男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設
・育児休業の分割取得
※その他、育児休業中の社会保険料免除要件の見直しがあります。
令和5年4年1日施行
・大企業に対する育児休業の取得の状況の公表の義務付け

上記の中では、何といっても来年10月からの2つの改正が目玉ですね。

具体的には、
1つ目が、男性の育児休業取得促進のため、子の出生後8週間以内に4週間まで育児休業が取得(2回まで分割が可能)できるというものです。また、労使協定を締結していれば、会社と合意した範囲で事前調整のうえ休業中に就業が可能になります。
2つ目が育児休業(上記の出生時の育児休業を除く)を分割して2回まで取得可能になるというものです。また、保育園に入所できない等の理由により1歳以降も育児休業を延長する場合、開始日が柔軟化され、期間途中に夫婦で交代して取得できるようになります。

今回の改正により、男性が子の出生直後に育児休業を取得することで、心身ともに負担が重い時期にある配偶者とともに、積極的に育児に参加できるようになると思いますし、雇用環境整備や個別の周知・意向確認の措置が義務化されることで、現在は取得しづらい風潮のある男性の育児休業が、今後は取得することが認められやすい環境になるのではないかと期待されます。

育児休業の分割取得(出生時の育児休業を除く)については、男女関わらず、まずは1回職場復帰してみようと思う方も増えますし、夫婦交代で取得することによって、育児と仕事・キャリアの両立が考えやすくなることが期待できそうです。

世の中の仕組みとして良い方向に行くのであれば、働く人たちの幸せを願って、手続き面でも応援したいと思います。
今回のブログでは上記法改正の詳細については、記していませんが、ぜひ一度厚生労働省の資料などを見てじっくり確認して頂ければと思います。

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「源泉所得税の改正のあらまし」 令和3年度税制改正のポイント [法改正]

「源泉所得税の改正のあらまし」とは、当年度の税制改正のうち、源泉所得税に関する改正内容を
まとめた書面のことで、毎年4月頃に国税庁から発表されます。

令和3年度の税制改正内容のうち、主な源泉所得税関係の改正事項をまとめたのが、
「令和3年4月 源泉所得税の改正のあらまし」になります。


これによると、今後の年末調整に大きく関わる内容としては、次の4点が挙げられています。

[ひらめき]1. 税務関係書類における押印義務の見直し
[ひらめき]2. 年末調整申告書を電磁的方法(電子データ等)で提供する場合の税務署長の承認廃止
[ひらめき]3. 住宅ローン控除の特例の見直し(要件緩和、期間延長)
[ひらめき]4. 退職所得課税の見直し

①・②については、令和3年分の年末調整から影響が発生します。
また④は、2022年1月1日以降から適用となります。

特に注目は、③住宅ローン控除の特例の見直しです。
消費税率の引き上げや新型コロナウイルス感染対策により、住宅に対する税制上の支援措置として
創設された「控除期間13年の特例措置」について、さらに期間延長がされることになりました。

適用対象となるのは、以下の契約期限および入居期限を満たす場合となります。

◇契約期間
注文住宅 :2020年10月~2021年9月
分譲住宅等:2020年12月〜2021年11月

◇入居期間
2021年1月1日〜2022年12月31日

この特例では、「合計所得金額1,000万円以下」の方についてのみ、
面積要件が50m2から40m2に緩和されます。

令和3年分の年末調整から住宅ローン控除を受ける従業員については、
初年度は確定申告となるため、実務で対応が必要となることはありませんが、
2年目以降は年末調整での対応となるため、該当する従業員がいる場合は、
確認・把握するとともに、注意を促す必要があります。

詳しくは、<国税庁:令和3年4月 源泉所得税の改正のあらまし>をご確認下さい。

まだ9月だから、と安心しているとあっという間に年末はやってきます。
余裕を持って、今から早めのご準備を[手(チョキ)]


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育児・介護休業法の改正 男性の育児休業取得促進期待 [法改正]

こんにちは、こんばんわ
毎日蒸し暑いですね 私の部屋は、蒸し蒸しで、虫も飛んできます。
先日はカナブンが飛んできました。そのカナブンは、つかまえて外に出しました。
さて、今回の話題は男性の育児休業についてです。

2021 年 6 月 3 日、男性が育児休業を取得しやすくなる制度などを定めた改正育児・介護休業法が成立しました。この法改正によって男性の育児休業取得促進が期待されます。
まずは、簡単にどんな法改正かというと、
①男性の出生時育児休業制度を新設
 ・出産日から 8 週間以内に 4 週間(最大 2 回に分けて)可能取得
 ・原則 2 週間前までの申請で可
 ・労使協定を締結している場合、事前に調整した上で育児休業中に、所定労働日・所定労働時間
  の半分までスポット的に就業が可能
②企業から従業員へ育児休業の取得確認の義務化
③育児休業の分割取得
 ・男女問わず、育児休業を 2 回に分割して取得可能
④育児休業の取得状況の公表を義務付け(従業員数が 1000 人を超える企業)
⑤有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件を緩和
⑥育児休業給付に関する規定の整備
 (本改正に関連して雇用保険法の一部も改正予定。詳細は別途公表)
※①~⑥の詳細は厚生労働省のHPなどの資料や当社HP通信などをご確認ください。

では、現在男性の育児休業取得状況について、厚生労働省が公表しています「男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集」をもとに見ていきましょう。

2019 年の男性の育児休業取得率は 7.48%で、その約 7 割が 7 日以内の短期間の取得となっています。
ほとんどの男性は育児休業を取得おらず、取得しても非常に短い期間となっているのが現状です。
では、取得した男性は、どの時期に取得しているかと見ると、末子の出産後8週以内が46.4%と最も高くなっています。具体的には、「産後、妻が産院にいる間」「妻が退院するとき」の時期に取得した男性が67.4%、取得希望をしていた男性が71.1%と非常に高くなっています。
男性がこのデータを見ると、上記①の男性の出生時育児休業制度を新設という法改正は理にかなっているのではないかと思います。

上記の法改正で③の分割取得が可能になることも気になります。現在、分割取得は認められないが、厚生労働省の資料では、例えば、労使の話し合い等で災害発生時に臨時に就業してもらうことが可能になるとあります。また、現在は、一度職場復帰すると、また個人的な事由やお子様の事由で何かあっても育児休業を取得できませんが、分割取得できるようになると公私生活において柔軟な対応ができるようになると思いますのでこの法改正も社員にとっては良いことではないかと思います。
ただ、人事担当者の事務が煩雑になることが予想されますのであらかじめ事務手続きを確認しておく必要があると思います。

皆様は、今回の法改正で男性の育児休業取得が進むと思いますか?
私個人の現段階の考えは、出生後8週以内の出生時育児休業期間に取得される男性はかなり増えるのではないと思います。奥様もこの時期は大変な時期ですし、少しでも協力したいと思う男性は多いと思います。ただ、この時期以外の男性の育児休業取得は何か事情がない限りはそれほど取得する人が増えるとは考えにくいかなと思います。個人的には少しでも認知が進んで社会的に男性が育児休業を取得することに企業に抵抗感がなくなることになれば増えていくと思います。

今回の法改正。「男性の出生時育児休業制度を新設」は個人的には好印象を持ちましたがいかがでしょうか。

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6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化 [法改正]

令和2年6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されます。
それにより、パワーハラスメント防止措置が事業主の義務となります。(中小事業主は令和4年4月1日から義務化)
事業主には以下の措置が義務化されます。
・パワーハラスメント防止についての事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
・相談に応じ、適切に対応するための必要な体制の整備
・職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
・その他併せて講ずべき措置(相談者、行為者等のプライバシー保護等)

職場におけるパワーハラスメント該当すると考えられる事例/該当しないと考えられる事例については、厚生労働省のリーフレット(https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000602881.pdf)で6類型に分けて示されています。代表的なものでは、以下のような行為の例が該当すると考えられます。

・脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
   人格を否定するような言動を行う。
   業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う。
・隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
   自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離した   
   り、自宅研修をさせたりする。
・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害
   新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を
   課し、達成できなくなったことに対し厳しく叱責する。
・業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
 (過小な要求)
   管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。
・私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
   労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする。

☆職場でパワーハラスメントが起こると、当事者だけでなく会社にとっても大きな損害が発生します。
①被害者の損害
   就業が困難になり、生活・人生に影響
   民事・刑事問題になり得る
②加害者の損害
   人事査定に影響、懲戒処分、民事・刑事対応
   生活・人生に影響
③会社の損害
   職場環境や人間関係の悪化、企業評価の低下、人材流出、採用に影響など

職場でパワーハラスメントが起こってしますと上記のように大きな損害が発生し、会社の経営にも大きな影響が発生しかねませんので、予防を行うことが重要だと思います。
日頃より十分な予防策を実行して頂くようお願い致します。

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年次有給休暇5日取得義務について [法改正]

2019年4月1日より労働基準法が改正され、
年5日の年次有給休暇の確実な取得
が必要となりました。

対象者:法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者
[ひらめき]※1.管理監督者を含みます!!
[ひらめき]※2.2019年4月1日以降に10日以上付与された方に限ります!!
[ひらめき]※3.正社員、パートなどの区別には関係ありません!!

事業所は労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から
1年以内に以下のいずれかの方法
労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させる必要があります。

[ひらめき]1.労働者自らの請求・取得
[ひらめき]2.計画年休
[ひらめき]3.使用者による時季指定 ※2019年4月から新設されました


年次有給休暇管理簿の作成

さらに、使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。


使用者による時季指定とは

使用者が労働者の意見を聴取した上で、時季を指定して年5日取得させる必要があります。
※ただし、労働者が自ら請求取得した年次休暇の日数や、労使協定で定めた計画年休については、その日数分を時期指定義務から除く。

詳細はこちらから
厚生労働省 働き方改革特設サイトより
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/salaried.html

厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf

2019年3月31日までに10日以上付与された年次有給休暇は対象となっておりませんが、
対象ではない方々も、年に5日は確実に取得できるような職場環境作りを進めましょう。

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「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省のホームページより) [法改正]

「働き方改革」って具体的に会社は何をしたらいいの?
「働き方改革」で従業員は何が変わるの?

新聞やニュースで「働き方改革」というワードはよく耳にするのに、具体的な内容がよくわからない方々に、朗報!!

厚生労働省のホームページに、わかりやすく解説したパンフレット等がまとめてダウンロードできる便利なページがあるのをご存知でしょうか。

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

中でも一番のお勧めは、「改正労働基準法に関するQ&A」です。
https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf

以下抜粋(番号3-14)

Q:使用者による時季指定(法第 39 条第7項)について、就業規則に記載 する必要はありますか。

--------------------------------------------------------------------
A:休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項であるため、使用 者による時季指定(法第 39 条第7項)を実施する場合は、時季指定の対 象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載 する必要があります。


※ 就業規則の規定例

第○条
1~4(略)(※厚生労働省ホームページのモデル就業規則をご参照ください。)
5 第1項又は第2項の年次有給休暇が 10 日以上与えられた労働者に対しては、 第3項の規定にかかわらず、付与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有 給休暇日数のうち5日について、会社が労働者の意見を聴取し、その意見を尊重 した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、労働者が第3項又は 第4項の規定による年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数 分を5日から控除するものとする。

大体の疑問は網羅されていますので(回答が難しくてわかりにくい場合もありますが…)一度目を通す価値ありです!
担当者は熟読必須です!!


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