いちばん大事なセキュリティ対策は… [セキュリティ]

PCなどのデータを暗号化して身代金を要求する「ランサムウェア」の被害は一向に無くなりません。そんな中、新たに暗号化なしにデータを盗み、対価を要求する手口が確認されました。
その名も「ノーウェアランサム」。

ノーウェアランサムには『個人情報や重要データの公開を脅迫材料として身代金を要求したほうが、効率的に利益を得ることができる』『暗号化のコストが掛からない』といったメリット(?)があり、今後はこの手口が拡大していくだろうと警察庁が警鐘を鳴らしています。
※参考:令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(警察庁)

ランサムウェアの感染経路としては、VPN機器からの侵入、次いでリモートデスクトップからの侵入など、主にリモートワーク等に利用される機器の脆弱性や、強度の弱い認証情報を利用したものが大半を占めており、事実、懸念されている脆弱性に対し、企業側も未対応のままでいたケースが多かったようです。

※VPNとは:専用のルーターやスイッチを使い、物理的に離れた場所にある拠点間を仮想的な社内ネットワークでつないで、データ通信を実現する仕組みのこと。

さて、こうして更新されつづけるサイバー攻撃にどう対処するか、ですが。

まずは社内に情報セキュリティポリシーを策定。強力なファイヤーウォール機器を設置し、各端末には最新のセキュリティツールをインストール。社内担当者がその動向を一元管理する態勢は、ある程度のコストを掛ければ実現可能です。

ですが何より大事なのは、日々PC機器を使う従業員、もちろん組織幹部も含めた一人一人の意識だと思うのです。
パスワードを記した付箋をノートPCに貼っている。
脊髄反射の如くメールの添付ファイルを開いてしまう。
「支払い方法を確認できず注文を出荷できません。確認はこちら」なんてリンクを何の疑いもなく踏んでしまう……。
これではどんな対策も無駄になりかねません。

「いまこんな恐ろしい被害が起こってる。」「そのためにこうする。これは絶対やめる。」「万が一の時はこうする。」といったセキュリティ情報共有の機会を、繰り返し設けてください。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:n54

令和5年度の地域別最低賃金額が公表されました [報酬・賃金]

令和5年度の地域別最低賃金が確定しました。

2023年10月1日より順次改定されます。
47都道府県で39円~47円の引き上げとなり、改定額の全国加重平均は1,004円(令和4年は961円)となりました。
全国加重平均が令和4年度より43円引き上げとなり、これは昭和53年度に目安制度が始まって以降過去最大の引き上げ額となっています。※昨年度を更新

以下47都道府県の最低賃金額と発行日となります。
都道府県 最低賃金額 (発効年月日)引上げ額
北海道  960円 (令和5年10月1日)   40円
青 森  898円 (令和5年10月7日)   45円
岩 手  893円 (令和5年10月4日) 39円
宮 城  923円 (令和5年10月1日)   40円
秋 田  897円 (令和5年10月1日)   44円
山 形  900円 (令和5年10月14日)  46円
福 島  900円 (令和5年10月1日)   42円
茨 城  953円 (令和5年10月1日)   42円
栃 木  954円 (令和5年10月1日)   41円
群 馬  935円 (令和5年10月5日)   40円
埼 玉  1,028円 (令和5年10月1日)   41円
千 葉  1,026円 (令和5年10月1日)   42円
東 京  1,113円 (令和5年10月1日)   41円
神奈川  1,112円 (令和5年10月1日)   41円
新 潟  931円 (令和5年10月1日)  41円
富 山  948円 (令和5年10月1日)   40円
石 川  933円 (令和5年10月8日)   42円
福 井  931円 (令和5年10月1日)  43円
山 梨  938円 (令和5年10月1日)   40円
長 野  948円 (令和5年10月1日)   40円
岐 阜  950円 (令和5年10月1日)   40円
静 岡  984円 (令和5年10月1日)   40円
愛 知  1,027円 (令和5年10月1日)   41円
三 重  973円 (令和5年10月1日)   40円
滋 賀  967円 (令和5年10月1日)   40円
京 都  1,008円 (令和5年10月6日)   40円
大 阪  1,064円 (令和5年10月1日)   41円
兵 庫  1,001円 (令和5年10月1日)   41円
奈 良  936円 (令和5年10月1日)   40円
和歌山  929円 (令和5年10月1日)   40円
鳥 取  900円 (令和5年10月5日)  46円
島 根  904円 (令和5年10月6日)   47円
岡 山  932円 (令和5年10月1日)   40円
広 島  970円 (令和5年10月1日)   40円
山 口  928円 (令和5年10月1日)   40円
徳 島  896円 (令和5年10月1日)   41円
香 川  918円 (令和5年10月1日)   40円
愛 媛  897円 (令和5年10月6日)   44円
高 知  897円 (令和5年10月8日)   44円
福 岡  941円 (令和5年10月6日)   41円
佐 賀  900円 (令和5年10月14日)  47円
長 崎  898円 (令和5年10月13日)  45円
熊 本  898円 (令和5年10月8日)   45円
大 分  899円 (令和5年10月6日)   45円
宮 崎  897円 (令和5年10月6日)   44円
鹿児島  897円 (令和5年10月6日)   44円
沖 縄  896円 (令和5年10月8日)   43円

厚生労働省の最低賃金特設ページhttps://pc.saiteichingin.info/でご自身の賃金が確認できます。
あなたの賃金を比較チェック⇒https://pc.saiteichingin.info/check/analyze.php
是非確認してみましょう!!

また、厚生労働省は、10月の地域別最低賃金改定を前に、中小企業における賃金引上げを支援する「業務改善助成金」を拡充しました。
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を30円以上引き上げるとともに、生産性向上につながる設備投資を行った中小・小規模企業が対象です。
今般の拡充で、より使いやすい制度になっていますので、この機会にぜひチェックしてみてくだい。
詳しい内容は、こちらのリーフレットから↓↓↓
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001140680.pdf

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:M

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9月は【職場の健康診断実施強化月間】です [安全衛生法]

厚生労働省では、労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断とその結果について医師の
意見聴取、その意見を踏まえた就業上の措置の実施について、事業者に改めて徹底して
いただくことを促すため、毎年9月は「職場の健康診断実施強化月間」と位置付けられて
います。

① 健康診断及び事後措置の実施と徹底について
健康診断の実施と有所見者に対する医師からの意見聴取、医師の意見を勘案した必要な事後措置は、全て労働安全衛生法に基づく事業者の義務となっています。
健康診断の実施率及び、有所見者の医師の意見聴取は特に小希望事業場での実施率が低くなっています。
事業場の規模にかかわらず、労働者の健康管理を適切に講ずるため、事後措置の実施まで徹底しましょう。

② 医療保険者との連携について
医療保険者(※)から健康診断の結果を求められた際の提出にご協力をお願いします。
(※)協会けんぽ、健康組合、市町村国保、国保組合、共済組合等を指します。

[ひらめき]厚生労働省:職場の健康診断実施強化月間について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34664.html


また、経済協力開発機構(OECD)が33か国を対象に行った調査では、日本の1日の睡眠時間は7時間22分で最も短いことが報告されました。
平均は8時間28分なので日本の睡眠時間の短さが目立ちます。
厚生労働省の国民健康・栄養調査では1日の睡眠時間が6時間未満の割合は男性が37.5%、
女性は40.6%となっており、ほぼすべての世代で「睡眠による休養が十分に取れていない人」の割合が増える傾向にあります。

厚生労働省は来年度から2032年までの「健康日本21」計画で、睡眠で休養が取れている人の割合を増やすよう目標値を設定しています。

睡眠は心身の健康に密接に関係しており、睡眠不足は生活習慣病やメンタルヘルスの不調など健康リスクにつながります。睡眠時間のこと、食事や運動などの生活習慣を見直してみてはどうでしょうか?

[ひらめき]参考:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASR916HG9R91UTIL033.html

[ひらめき]参考:厚生労働省 健康日本21(第三次)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21_00006.html


[ひらめき]次の「気になる話題ピックアップ」の記事もぜひご一読ください。
●厚労省、健康診断を見直しへ
https://humanprime.co.jp/230905/
●9月は「職場の健康診断実施強化月間」です
https://humanprime.co.jp/230818/
●日本人の睡眠、改善目指す 業界団体が発足
https://humanprime.co.jp/230906/

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:MA


チャットGPTの活用と個人情報保護 [セキュリティ]

近年、AI技術の進化に伴い、チャットボットの利用がますます広がっています。

その中でも「チャットGPT」は、自然言語処理を駆使して人間のような対話を行うことができる優れたツールです。しかし、これを利用する際には個人情報保護の観点から慎重なアプローチが求められます。
特に日本では、厳格な個人情報保護法が存在し、適切な対策が必要です。


まずチャットGPTを活用する際に注目すべきは、個人情報を含むデータを用いた文章やプログラムソースを作成する場合の情報の取り扱いです。

名前、住所、電話番号などの個人情報は慎重に取り扱い、これらの情報の使用は必要最小限に留め、不要な情報は収集しないよう心がけましょう。

さらに、チャットGPTを用いたアプリケーションが会話の中でユーザーとのやり取りを記憶する機能を持つ場合、そのデータ保持期間にも注意が必要です。
定期的なデータの削除や消去方針の整備を行い、ユーザーの入力した情報を適切に管理しましょう。

さらに、プライバシーポリシーの明確な提示も欠かせません。
チャットGPTを利用するウェブサイトやアプリ内には、どのような情報を収集するのか、どのように利用するのか、どれくらいの期間保持するのかなどを分かりやすく記載することで、ユーザーに対して透明性を提供しましょう。
また、ユーザーからの問い合わせや苦情に対して適切な対応をする体制を整えることも大切です。


さらに、未成年者のデータ保護にも配慮が必要です。未成年者の個人情報は特に厳重に保護されるべきです。
未成年者との対話においては、親権者の同意が必要な場合もあるため、適切な確認手続きを講じましょう。


最後に、セキュリティ対策は絶えず強化する必要があります。チャットGPTを提供するシステム自体がハッキングや不正アクセスの標的となる可能性があるため、常に最新のセキュリティ技術やパッチを導入して、外部からの脅威に備えることが大切です。


これらをまとめると、チャットGPTの活用は便益をもたらす一方で、個人情報保護の観点からは注意が必要です。

日本の個人情報保護法を遵守し、ユーザーのプライバシーを尊重するために、適切な情報取り扱いやセキュリティ対策、透明性の提供が欠かせません。これらの観点を踏まえつつ、安心してチャットGPTを活用するための努力を続けましょう。


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↑こちらの文章はチャットGPTに「日本におけるチャットGPTの活用について個人情報保護の観点から記事を作成してください。」と打ち込んで作成しています。(一部不適切な部分のみ加筆・修正しています。)

AIが作成した文章であることにあなたはお気付きになりましたか?

このように人間が書いているかのような文章を作成することができます。
チャットGPTは、コンテンツを作成するような業務や、アプリケーションを開発する企業にとっては使い方次第で業務効率化や工数削減につながるとても便利なツールです。


そんなチャットGPTについて、気になるニュースを見つけました。

内閣府の外局である個人情報保護委員会は、2023年6月2日にチャットGPTを提供するアメリカのオープンAI社に対して、個人情報の取り扱いに関する注意喚起を行ったと明らかにしています。 あらかじめ本人の同意を得ずに、利用者や利用者以外の第三者の要配慮個人情報(※)を取得しないことを求めています。


また個人情報保護委員会は一般の利用者に対しても、

本人の同意なく入力した個人情報が生成AIの機械学習に利用された場合に「個人情報保護法に違反する可能性がある」と警告し、学習をオフにする機能の活用などの対策が必要だとしています。
海外においても同様の調査が進んでいるため、今後の動向には注意が必要です。

利用者に際してはサービス提供事業者の利用規約などを充分に確認し、適切に判断するようにしましょう。

※ 要配慮個人情報とは…人種、信条、社会的身分、病歴、前科・前歴、犯罪被害情報などが含まれる。本人に対する不当な差別や偏見を防ぐ目的で、取り扱いについて特に配慮を要するとしています。



参考:個人情報保護委員会(生成AIサービスの利用に関する注意喚起等)
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_AI_utilize.pdf

参考:日本日経新聞 (OpenAIに行政指導 個人情報保護委、取得手法に懸念)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA023IJ0S3A600C2000000/



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雇用保険の基本手当に係る 2 つのトピック ~基本手当日額の変更と失業認定のオンライン化~ [雇用保険]

 もし失業した場合、失業中の生活を心配することなく再就職活動ができるよう、一定の要件を満たした場合には、雇用保険の基本手当が支給されます。よく失業手当と言われるものはこれにあたります。今回は雇用保険の基本手当に関する二つのトピックをご紹介します。


トピック 1  基本手当日額の変更
 雇用保険では、離職者の「賃金日額」※1に基づいて「基本手当日額」※2が算定されますが、8月1日より「基本手当日額」の最高額と最低額が変更されました。
 ※1 離職した日の直前6か月に毎月決まって支払われた賃金から算出した金額
 ※2 失業給付の1日当たりの金額
 今回の変更は、令和4年度の平均給与額が令和3年度と比べて約1.6%上昇したこと及び最低賃金日額の適用に伴うものです。

具体的な変更内容
1,基本手当日額の最高額の引上げ
基本手当日額の最高額は、年齢ごとに以下のようになります。
(1)60 歳以上65 歳未満 7,177 円 →  7,294円(+117 円)
(2)45 歳以上60 歳未満 8,355円 → 8,490 円(+135 円)
(3)30 歳以上45 歳未満 7,595円 → 7,715 円(+120 円)
(4)30 歳未満      6,835円 → 6,945 円(+110円)
2,基本手当日額の最低額の引上げ
2,125 円 → 2,196 円(+71円)
[ひらめき]変更の詳細についてはこちらをご確認ください。
雇用保険の基本手当日額の変更



トピック 2  失業認定のオンライン化(試行)
雇用保険の基本手当を受給するためには、原則として、まず受給資格の認定を受け、その後も4週間に1度、ハローワークに出向いて、失業状態にあることの認定を受ける必要があります。しかし、様々な事情によりハローワークへ出向くことが負担の大きい方もいらっしゃいます。

※基本手当受給手続きの流れ(原則)
基本手当受給の流れ.png

 厚生労働省は令和5年1月以降、離島の住民の方を対象にオンラインでの面談を試験的に行い、日程調整の手間等はあるものの利用者のニーズや利便性の向上が確認出来たということです。この離島での取り組みに続き、令和5年7月24日より下記の通りオンラインでの失業認定の試行が始まりました。

対象地域:ブロックキー局(9労働局※)のハローワーク各1所
※ 9労働局…北海道局(函館所)、宮城局(仙台所)、東京局(品川所) 、新潟局(新潟所)、愛知局(名古屋中所)、大阪局(梅田所)、広島局(広島東所)、香川県(高松所)、福岡県(福岡中央所)

対象者*と内容 *希望者
① 来所が困難な者
公共職業安定所への出頭が大きな負担となっている者(例:難病患者、長期療養者、子育て中の者等)について、自宅からのオンライン面談による失業認定を可能とする。
② 計画的な早期再就職を目指してハローワークの支援を受ける者
就職支援プログラム事業の支援対象者について、個別支援期間中の認定日には、オンラインでの手続(電子申請による失業認定申告書の提出)のみによる失業認定を可能とする。(失業認定のみのためにハローワークへの来所や面談は要しない)
・ 初回の失業認定日は来所が必要。個別支援期間終了時に未就職の場合は、来所による認定に切り替え。

 令和5年度末までの試行を検証し、令和6年6月を目途にデジタル技術を活用した雇用保険制度の失業認定関連手続の在り方についての結論が出される予定です。



 雇用保険も時代や技術の変化に合わせ様々な見直しが行われているのですね。いざという時の重要な制度ですので一度確認しておくのも大切かもしれません。

参考
厚生労働省
雇用保険の基本手当日額の変更|厚生労働省
オンライン失業認定|厚生労働省
20230721失業認定におけるデジタル技術の活用について〔記者発表資料)
NHKニュース
失業給付受け取りに必要な面談 オンライン化拡大へ 厚労省 | NHK

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム I
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病気療養のための休暇制度を導入してみませんか [人事制度]

 近年、組織のグローバル化に合わせた新しい休暇制度として、「シックリーブ(SickLeave)」が徐々に認知されてきています。シックリーブとは、労働者が業務外の病気やケガなど健康上の理由で仕事を休む際に取得できる有給の休暇のことで、海外では、EU諸国やオーストラリア、シンガポールやマレーシアなど多くの国や地域で法律として定められています。
 ただ、日本で導入している企業は全体の 4 分の 1 に留まっており、そのうちの6割は有給(全額+一部)ですが、4割は無給となっています(厚生労働省「令和 3 年就労条件総合調査」より)。

画像1.png
引用元:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」

〇病気療養のための休暇の必要性
 昨今、長期にわたる治療等が必要な疾病のため、一定期間の休職などを経て、通院による治療を受けながら仕事をしている労働者が増加しています。
 例えば、がん患者の放射線治療は、毎日1,2時間の通院が1か月必要です。年次有給休暇とは別に、治療目的の私傷病休暇制度があれば、就労と治療の両立に取り組む不安を取り除くことができます。
 また、風邪や感染症などの突発的な体調不良時に取得できる病気のための休暇を、年次有給休暇と別に設けておくことは、万一に備えたセーフティネットになります。
 例えば、季節性インフルエンザや新型コロナウイルスは5類感染症扱いのため、就業制限の対象外となっていますので、発熱や体調不良があっても、給与を減らさないために働き続けてしまう労働者が出てくるも考えられます。病気療養のための有給休暇は、このような感染症罹患者を職場から隔離させるためにも有効といえ、周囲の労働者の安心にもつながります。

〇導入例
 導入する場合、例えば以下のような制度が考えられます。

導入例①
年次有給休暇とは別に、労働者本人やその家族に病気等が生じた場合に、有給扱いで年間 5日を上限に取得できる制度を設ける。
→本人やその家族の急な体調不良で休まなければならないときに病気休暇があることで、普段から安心して年次有給休暇を取得できます。
導入例②
短時間の検診や外来通院などに対応するため、1 時間単位で取得できる病気休暇制度(取得日数に制限はなく、通算10日までは有給扱い)を設ける。
→長期間の休職から復職した後に、短期間取得できる休暇制度があることで、労働者が安心して、治療と仕事を両立することができます。

〇最後に
 日本の労働者 1 人の年次有給休暇の平均取得率は 56.6%(厚生労働省「令和 3 年就労条件総合調査」)と、諸外国の取得率と比較すると低いのですが、日本人が年次有給休暇を取得しない最大の理由は、「緊急時のために取っておく」ということだそうです。
 したがって、シックリーブがあれば、年次有給休暇の取得率は上がり、ワークライフバランスの改善にも効果的なのではないかと思います。
 一方、企業側にとっても、労働者のウェルビーイング実現による生産性向上、また、働きやすい会社として人材の確保や求人者の増加につながることが期待できます。
 ぜひこの機会にご検討してみてはいかがでしょうか。

参考:
「働き方・休み方改善ポータルサイト」病気療養のための休暇 
https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuukaseido/recuperation.html) 
リーフレット「支えられる安心 支える安心 安心が継続勤務につながる」
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category4/20221128_1.pdf

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム MS2
https://humanprime.co.jp/























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驚きのランサムウェア事情 [セキュリティ]

3年連続で「脅威 第1位」となったランサムウェア攻撃は、2023年上半期も猛威をふるいました。身近な企業やサービスが被害を受けたとのニュースを耳にして、「これは危ない」と気を引き締めた方も多いのではないでしょうか。

昨年、世界ではサイバー攻撃によって6兆ドルもの損害が発生したとのこと。2025年には年間被害額は10.5兆円にも昇るだろうと予測され、これは全世界の自然災害による損害より大きく、全世界の違法薬物による犯罪収益よりも高いと言われています。

令和5年3月、警察庁サイバー警察局の報告書によると、日本に於ける2022年度のランサムウェア被害件数は230件。前年比は約58%増です。
ネットバンキングの被害件数は1,136件で、何と前年比95%増となっており、被害金額は約1,000億円!
ただしこの数字は氷山の一角。不正アクセス被害に遭った企業・団体のうち、44%は何故か警察に届け出なかったそうです。

そもそもランサムウェア攻撃とは、添付ファイルやメールのリンクをきっかけに、標的となる組織のネットワークに忍び込んで情報を盗みランサムウェアを実行。ファイルの暗号化やPCをロックするなどして相手を攪乱します。続いて「身代金を払わないと情報を流出させるぞ。暗号も解かないぞ。」と脅迫してくるのがパターン。ファイル暗号化と情報流出の2重の脅しによって多額の身代金を支払わざるを得なくなっている、という仕組みです。

セキュリティが堅牢な大企業ではなく、メインターゲットは中堅・中小企業とのこと。
何より驚きなのは、最近では闇サイトに於ける「定額ランサムウェアレンタル」なるものが行われているのだとか。知識の無い素人が毎月10万円程度でプログラムを借り受け、1億円の脅迫をあちらこちらで実行していると考えれば、こうも被害数が増えているのにも頷けます。

犯罪すらサブスクとは…。聞いているだけで空恐ろしくなってしまう一方、夏季休暇を前に何となく浮き足立った時期であるのも事実。旅行会社やイベント企業を装ったフィッシングメールが届き、触れてはいけないリンクを開いてしまうかもしれません。

くれぐれもメール内リンク、添付ファイルにはお気を付けて。

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:n54

選択制確定拠出年金の随時改定の取扱いについて [確定拠出年金]

選択制確定拠出年金とは、給与や賞与、前払い退職金(以下、給与等)の一部について、
引き続き給与等で受け取るか、企業型確定拠出年金の掛金とするかを従業員が【選択】する制度です。
企業型確定拠出年金の掛金とする場合、給与等の一部を「ライフプラン手当」や「生涯設計手当」等として再設計します。


選択制確定拠出年金のメリット※として、
従業員が掛金として拠出することを選択した場合に、給与としての支払額が下がるため、
標準報酬月額が下がる場合があり、結果として社会保険料の軽減につながるという考え方があります。

では、掛金として拠出した結果、標準報酬月額が2等級以上変動した場合、随時改定(いわゆる月変)に該当するのでしょうか?


勘違いされている方が多いので、整理したいと思います。


[ひらめき]1.会社が新たに選択制確定拠出年金制度を導入し、導入した月から加入し、拠出した掛金により2等級以上変動した場合
⇒随時改定に該当します。

[ひらめき]2.会社がすでに導入している選択制確定拠出年金制度に、導入月以降に加入して拠出した掛金、または、選択した掛金額の変更により2等級以上変動した場合
⇒随時改定に該当しません。

≪固定の給与額が変動するので、当然随時改定の対象となる≫と、思われている人事労務担当者の方がいらっしゃるかもしれませんが、随時改定に該当するのは、導入月から加入し、標準報酬月額が2等級以上変動した場合のみとなります。

導入月以降は、4月5月6月の給与で標準報酬月額を決める定時改定(いわゆる算定)に該当します。


標準報酬月額が下がることによる社会保険料の軽減効果は、企業にとってはメリットですが、
従業員にとってはメリットばかりとは言えないと思います。
無理のない範囲で掛金として選択し、老後の資産形成のために3つの税制優遇措置を活用することが望ましいですね。

※メリットには大きく次の3つがあります。 ①税金・社会保険料の軽減効果が見込まれる ②運用益が非課税で再投資される ③受け取り方法に応じて大きな所得控除がある
それぞれのメリットの詳細は、追って別のブログでご紹介します。
今すぐお知りになりたい方は、ヒューマン・プライムまでお問い合わせください。

確定拠出年金セミナー定期開催中です~
https://dc.humanprime.co.jp/category/seminar/

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム M



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短時間労働者に対する健康保険・厚生年金の適用拡大について【令和6年10月より】 [法改正]

令和6年10月より、被保険者数が51人以上の企業等(現在は101人以上の企業等)で働く、以下の要件に該当する短時間労働者(パート・アルバイト等)の方について社会保険の加入が義務化されます。

≪令和6年10月からの加入対象(短時間労働者)の要件≫
◇週の所定労働時間が20時間以上
◇月額賃金が8.8万円以上
◇2カ月を超える雇用の見込みがある
◇学生ではない

被保険者が51人以上の企業等とは?
健康保険・厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数(※)が、1年のうち6カ月以上51人以上であることが見込まれる企業等のことです。
なお、この企業のことを「特定適用事業所」といいます。
(※)法人事業所の場合は、同一法人格に属する(法人番号が同一である)すべての適用事業所の被保険者の総数、個人事業所の場合は適用事業所単位の被保険者数となります。

[ひらめき]日本年金機構 拡大特設サイトはこちら
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html

少し先の改正内容となりますが、当該義務化の対象となる可能性がある事業所様は早目のご準備が必要と思います。
特に新たに加入対象となるパート・アルバイトのみなさんへ法律改正の内容が確実に伝わるようにしたいですね。

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金の適用拡大の全体像については、ヒューマン・プライム通信のバックナンバー「年金制度の改正(2)」をご覧になってください。
https://humanprime.co.jp/hp328/

社会保険労務士法人ヒューマン・プライム:MA

中小事業主のための「メンタルヘルスケア」特設ページが公開されました! [職場環境]

メンタルヘルスケアは、すべての働く人が健やかに活き活きと過ごせるような気配りと援助をする事です。

メンタルヘルスに関する理解は徐々に浸透してきてはいますが
「そんなの大企業の話でしょ!なかなか中小企業ではそんな余裕ないから、今のところ何もしていないよ!」
という中小事業主の声も聞こえてきます。

そんな中小事業主をサポートできるよう、厚生労働省の運営する
働く人のメンタルヘルス「こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/)というサイトにおいて中小企業向けのページが公開されました。

厚生労働省が行った令和3年労働安全衛生調査(実態調査)によると、メンタルヘルスに取り組んでいる割合については、使用する労働者が50人以上の事業場では取り組み率が94.4%であるのに対し、使用する労働者数30人未満の小規模事業場におけるメンタルヘルス対策への取り組みが49.6%と特に低調となっています。


厚生労働省では、「労働災害防止計画について」にて掲載されている「第14次労働災害防止計画」において、中小事業者のメンタルヘルス対策として、使用する労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を2027年までに50%以上とすることを目標としています。


こころの耳のサイト内では、
・働く方
・ご家族の方
・事業者の方
・部下を持つ方
・支援する方
のカテゴリにおいて、それぞれの立場で知っておくと便利な情報が公開されています。


メンタルヘルス対策の基本は4つのケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフなどによるケア、事業場外資源によるケア)ですが、そのうち、私たちが自分自身で行うことのできる「セルフケア」の簡単な方法などが載っています。


また、5分でできる職場のストレスチェックとして、仕事のことや職場環境、自分の気持ちについて4つの選択肢から該当するものを選ぶ選択形式のチェックを受けられます。

全ての質問に回答することで、ストレスの原因や心身反応、影響因子において、自分がどの程度であるのか。項目ごとの割合をグラフで見ることができます。
またその結果を踏まえて、ストレスケアへのアドバイスや現状についての解説を見ることができます。


サイト内ではさらに相談可能な第三者機関の紹介もしています。
さらに、【POSITIVE SHARING #ポジシェア-疲れやストレスと前向きにつきあうコツ-】というコンテンツが配信されています。

[ひらめき]リラクゼーションヨガやセルフケア探偵というドラマ、著名人へのインタビューが掲載されており、コンテンツは読み物としても楽しめます。


ストレスを抱えるご本人のみならず、すぐ近くで見守るご家族の方や同僚の方における疲労度チェック、またストレスに関する知識や情報などを発信しており、心の負担を感じている方への接し方のポイントについて知ることができます。


メンタルヘルスケアと言うと、どうしても鬱や自律神経失調症等を発症してからの話だと思いがちですが、早期に発見できれば、病気として認識される前に対応することができるかもしれません。
人的リソース不足が叫ばれる昨今。休職や退職による人材の流出を食い止めたいと考える事業主にとって有益な情報となるものもあるかもしれません。ぜひご活用ください。


中小企業は従業員数が少ないからこそ、一人一人が持っている力を充分に発揮できるような環境整備が必要となります。
ストレスは数値で誰が見てもわかるわけではありません。そんな心のケアについて、今一度考える機会にしていただけると幸いです。

中小企業の事業主の方も、企業の労務人事担当者の方も、既知の事柄も有るかもしれませんが、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?



社会保険労務士法人ヒューマン・プライム AT